特定社会保険労務士試験


雲南市の社会保険労務士の梶谷です。

今まで社会保険労務士試験について発信してきましたが、今回は「特定」社会保険労務士試験についてです。

3月18日、第17回特定社労士試験、正確には紛争手続代理業務試験の合格発表がありました。

今回ばかりはさすがに落ちたかなと思っておりましたが、何とか奇跡的に合格することができました。

講師を務めていただいた先生、一緒に勉強してきた先生方、研修で一緒に頑張った先生方には心より感謝申し上げます。

本当にギリギリの合格だったので、偉そうに対策や勉強法を語ることはできませんが、簡単に試験の紹介をさせていただきたいと思います。

社会保険労務士自体それほど知名度の高い資格ではありませんので、その中の特定社会保険労務士となると存在を知っている方はほとんどおられないと思います。

「普通の社労士とどこが違うの?」ということについてですが、平たく言えば、できる仕事の種類が増えます。

具体的には紛争手続代理業務と言って、裁判によらないで、当事者双方の話し合いに基づき、あっせんや調停、あるいは仲裁などの手続きによって、紛争の解決を図るという業務です。

裁判になるとお金も時間もかかって、しかも公開されてしまうので、もう少し簡単に、早く、安く問題を解決しようよということです。

特定社労士ではない社労士はこの業務を行うことができませんが、特定社労士になればできるようになります。

ではその特定社労士になるためにはどうすればよいのかということをご説明します。

1.中央発信講義の受講

まずは中央発信講義と言って、特定社会保険労務士になるために必要となる基本的な知識について学習します。

コロナの影響もあってe-ラーニング形式となっているため、自分の好きな時間に受講することができるのですが、これがかなりの分量で30時間以上あります。

コロナ流行以前は島根の社労士は鳥取に行って集合形式で受講していたと聞きます…。

そう考えると私は恵まれていましたね。

内容としては、社労士としての倫理や、憲法、民法など、社労士試験では学習してこなかった内容も含まれます。

ここでしっかりと学習しておくことで、その知識が後のグループ研修や本試験で役立ちます。

2.グループ研修、ゼミナール

次に、グループ研修、ゼミナールです。
これら2つを合わせて6日間あり、私の地区では広島で行われるため、かなり時間と体力を削られます。

グループ研修では、10人程度のグループに分かれて、事前に配布されていた検討用の課題についてディスカッションを行います。

この課題についてもかなりの分量があるため、しっかりと準備をしておくことが必要となります。

グループ研修については当然全員社労士が受講しています。議論が白熱するあまり、怒鳴りあいになることがあったとかなかったとか…。

幸い私のグループは非常に良識的で、意識も高い方ばかりだったため、平和にグループ研修を終えることができました。

グループ研修の最終日には、研修の成果物として、あっせん申請書と答弁書という物を提出します。

ゼミナールでは、グループ研修で検討した課題や、あっせん申請書、答弁書について、弁護士の先生の見解を踏まえながら意見を交換し合います。

このゼミナールでは弁護士の先生から、どのような結論に至ったか、結論に至った根拠などについて個別で指名されて発言するので、ちょっとした緊張感が味わえます。

また、同じ検討用の課題でもグループ毎に全く考えが異なっていたりするので、非常に勉強になりました。

3.試験

ここまでみっちりと研修を行ってから、ようやく受験資格を得られます。

令和3年度の試験の概要は以下の通りです。

【試験日時】

令和3年12月4日(土)
14:30~16:30

【試験の内容】

全て記述式
第1問はあっせん事例(70点満点)
第2問は倫理(30点満点)

【合格基準】

100点満点中、55点以上、かつ、第2問は10点以上とする。

【合格率】

49.8%

となっております。

特筆すべきは、試験の内容と、合格率です。

社労士試験はオールマーク式の試験ですが、特定社労士試験はすべて記述式の試験になっています。

しかも2000文字程度を2時間で記入する必要があり、読まなければならない問題の量もかなりのものなので、時間が足りません。

実際に私も時間が足りず、最後の問題はほとんどブランクで終えなければなりませんでした。

マーク式の試験に慣れておられる方にとっては、難易度の高い試験と言えます。

次に合格率ですが、社労士試験の最新の合格率が7.9%であることを考えると、かなり易しい試験のように思えるかもしれません。

ですが、特定社労士試験を受けているのは全員現役の社労士です。しかも中央発信講義、グループ研修、ゼミナールでみっちりと勉強してきています。

そう考えると、49.8%という見た目ほど易しい試験ではないと言えます。

ちなみにこの49.8%という合格率は、過去最低だそうです。

今回は今までと違って特定社会保険労務士のことをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

私が合格できたのは、ひとえに支えてくださった皆様のおかげです。

特定社会保険労務士の試験は難しいだけでなく、受験資格を得るために時間もお金もたくさんかかります。

研修費用、受験料、教材費、交通費、宿泊費などすべて含めると、20万円くらいにはなったでしょうか。

それほどの時間とお金に見合う資格になるかどうかは、今後の自分次第だと考えます。

せっかく取った資格が無駄にならないよう、精進していきたいですね。

今後特定社労士を取ろうとされている社労士の方にとって、少しでも参考になれば幸いです。