社労士試験合格発表

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。

先月10月29日に社会保険労務士の合格発表がありました。

合格された皆様方、おめでとうございます。
厳しい試験を乗り越え、社会保険労務士としての一歩を踏み出されたことを嬉しく思います。

残念ながら不合格だった皆様方、真剣に試験に挑まれた方ほど悔しい気持ちかと思います。
試験は時の運もありますので、今後のことも考えた上で来年どうするか決められたらよいと思います。

合格発表の結果について、前回の講評の記事との比較を踏まえながら簡単にご紹介したいと思います。

1.合格発表概要

(1)受験申込者数
50,433人(前年49,250人、対前年比2.4%増)

(2)受験者数
37,306人(前年34,845人、対前年比7.1%増)

(3)合格者数
2,937人(前年2,237人)

(4)合格率
7.9%(前年6.4%)

コロナや受験料大幅増により受験者数が減少するのではないかという予想もありましたが、ふたを開けてみると申込者数、受験者数ともに前年比増という結果になりました。

また例年と比べても優しくはない試験内容であったことから例年なみの合格率になると思いましたが、合格率は7.9%となり、ここ数年の6%台を上回りました。

これは後述しますが、選択式試験の合格基準点の調整によるところが大きいと思います。

2.講評との比較

令和3年度試験の合格基準は以下の通りとなりました。

本年度の合格基準は、次の2つの条件を満たした者を合格とする。

①選択式試験は、総得点24点以上かつ各科目3点以上(ただし、労務管理その他の労働に関する一般常識は1点以上、国民年金法は2点以上)である者

②択一式試験は、総得点45点以上かつ各科目4点以上である者

既に社労士試験の概要が分かっている方向けの説明だと、

・選択労一1点救済

・選択国年2点救済

・択一式45点以上、救済科目なし

です。

前回の記事との比較ですと

(1)概ね合っていた点

①択一式は合格基準点44~45点、救済科目なしと予想していたので、的中しました。

②国年は2点救済の可能性が5分と予想したため、半分的中となりました。

(2)予想を外した点

①労一は2点救済は濃厚だが、1点救済までは厳しいと予想しましたが、1点救済となったため、的中しませんでした。

②社一は2点救済の可能性があると予想しましたが、救済はありませんでした。

3.合格発表まとめ

1点救済はしばらくなかったこともあり、労一で1点救済が入ったことには正直驚きました。
同時に、個人での予想とはいえ、労一1点で救済待ちの方に不安な思いをさせてしまったことにつきましては、反省しております。

また、運の要素も強い試験ではありますが、例えば社一が2点で足切りとなった受験生の方は本当にあと一歩で、悔しい思いでいっぱいではないかと思います。

試験の専門家でもない一社労士のつたない予想ではありますが、来年度も引き続きやろうと思っているので、どうぞよろしくお願いいたします。

来年も再チャレンジされる方には、ぜひ過去の記事をご覧になっていただければと思います。それでは。

過去の記事はコチラ

社労士試験講評

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。

令和3年度社会保険労務士試験を受験された皆様、お疲れ様でした。

講評をすると前回の記事で予告しておきながら、こんなにも遅くなってしまい反省しております。。

今年度の社労士試験の講評・合格ライン予想について簡潔に書かせていただきます。


なお、各社の解答速報が発表されておりますが、私はTACの解答速報で採点しております。

※注 この予想はあくまで私の個人的見解について述べただけのものであるため、予想についての責任等は一切負いかねますことをご理解ください。

【選択式】

全体としては例年並みの難易度であったかと思いますが、一部合格基準点の3点確保が困難であった科目がありました。

皆さんが気になる、合格基準点の緩和(救済)が予想される科目としては、

①労務管理その他の労働に関する一般常識

受験者にとってはあまり馴染みのない助成金の名称について問われたことに加え、その他の問題も自信を持って解答できる受験生は少ないと思われる出題でした。

予備校のデータリサーチでも得点率が伸び悩んでいるため、2点の救済がかかる可能性は濃厚だと思います。

一方で1点救済がかかる可能性もあると一部では言われていますが、当てずっぽうで何点か確保する受験生が一定数存在する出題でもあったことから、個人的には2点救済で留まるのではないかと思います。

②国民年金法

ぱっと見は取り組みやすい問題であるように思われましたが、改めて問われると自信が持ちきれないという出題でした。

予備校のデータリサーチを見ても得点率は伸び悩んでおりますが、2点救済の可能性が高いとまでは言えず、可能性は五分といったところではないかと思います。

③社会保険に関する一般常識

予備校のデータリサーチではそこまで得点率が伸び悩んでいるとまでは言えず、一見すると救済の可能性はないかのように思えます。

しかし、問題を見る限り、受験生によっては運が悪いと1点もとれない可能性もある出題であったこと、またそのような受験生は予備校のデータリサーチに登録しない傾向にあること(不合格が分かっているので)を考えると、2点救済の可能性は残されているのではないかと思います。

選択式のその他の科目に関して、例えば労働基準法及び労働安全衛生法などは細かい論点が問われたという印象を受けましたが、得点率が伸び悩んでいるとは言えないことから、上記の3科目以外の救済の可能性は低いように思います。


【択一式】

大変申し訳ないのですが、まだ全ての問題に取り組めておりません。

ただ問題を見て強烈に感じたのは、問題文の圧倒的なボリュームです。

68ページにもおよぶ超大作となっており、私の受験した平成30年度試験と比較しても明らかに多くなっていることから、択一式試験の難化傾向が顕著です。

しかし、では合格基準点の4点を割って救済がかかる科目があるかというと、近年の傾向をみてもそこまではいかないのではないかと思います。

そうなると択一式の合格に必要な総得点が重要になってくるかと思いますが、予備校のデータリサーチの結果を踏まえると、

44~45点

辺りを巡る戦いになるのではないかと思います。

コロナの影響と受験料大幅増により、あまり勉強していない層の受け控えは気にはなりますが、46点以上が確保できていればある程度は安心して良いのではないかと思います。


いかがでしたでしょうか?

今回の記事をまとめると、

①選択式は労一が2点救済濃厚、国年・社一は救済可能性あり

②択一式は救済科目なし、総得点44~45が合格ライン

です。

まずは救済がなくても合格基準点を上回る得点だった皆様は、気が早いですがおめでとうございます。
日々の努力が実を結ばれたのではないかと思います。

そして救済待ちの皆様や、救済がほぼ期待できないけれども絶対に社労士試験に合格したいと考える皆様は、厳しいようですがすぐに勉強を再開されるのが良いと私は思います。

思っている以上に知識の劣化は早いです。

今から1年計画で取り組めば、今回の試験では全然ダメだった人であっても十分に合格の可能性があります。

後悔のない選択を皆様がされるよう、陰ながら応援させていただきます。


社労士試験前日

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。

明日はいよいよ第53回(令和3年度)社会保険労務士試験です。

受験される皆様方、体調はいかがでしょうか?

今年度はコロナ拡大期の受験になり、感染拡大地域での受験となる方は不安もある中での受験になるかと思います。

また今年度より試験の受験料が¥9,000から¥15,000に大幅値上げとなりました。

そう考えると、今年度の受験者は強い覚悟を持って試験に臨まれるのではないかと思います。

前日にあれこれ言って混乱していただきたくないので、明日の試験に向け3つだけ受験者の方にお伝えします。


1.自信を持つ

当然ですが、試験会場では誰も助けてくれず、頼れるのは自分だけです。

ですがこれまで辛い勉強を一生懸命されてきた皆さんです。

とにかく自分の解答に自信を持ってください。どうしても不安になってしまい一度マークした答えを変更したり、運を天に任せてしまいたくなることがあります。

あなたが選んだ答えにはそれまでの苦労がすべてつまっています。

どうか自分自身を信じてください。

2.あきらめない

今までの記事でもご紹介しましたが、社労士試験は難化(特に択一式)が進んでいます。

試験中に「もうダメだ…」、「来年また頑張ろう」と思ってしまうかもしれません。

ですがあきらめるのは試験が終わってからでも大丈夫です。

自信のない答えが案外当たっていたり、基準点割れでも救済が入るかもしれません。

8月22日、その日だけはあきらめない心で臨んでください。

3.マークミスのチェックをする

マークミスのチェックだけは1回でも2回でもよいのでするようにした方がよいと思います。

試験中は極度の緊張状態なので、マークミスがある可能性は十分にあります。

これをするかしないかで、合格発表までの気持ちの持ち方も大きく異なってきます。

精神衛生のためにも、解答後は少し余裕を持ってチェックすることをおすすめします。


今回は短いですが、いかがだったでしょうか?

1.自信を持つ
2.あきらめない
3.マークミスのチェックをする

という3つが皆様に伝われば幸いです。

試験後の私の感想・講評についてもまた発信できればと思っています。

今日は試験に備えてよく寝て、試験に向かってください。

では最後に。

頑張ってください!

いろいろあります社労士試験(最終回)

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。

今まで社労士試験に関する発信をしてきましたが、今回で一旦最終回になります。

まだ今までの記事を見られてない方はこちらをどうぞ。

さて、今回は今までと趣向を変えて、Q&A方式で社労士試験に関する疑問に答えていきたいと思います。


Q1.社労士試験って結局運だっていうけどホント?

A.半分ホントで半分嘘です。

社労士試験が運によって左右されるのは間違いなく事実です。

例えば選択式試験で予想外の問題が出て合格基準点割れしてしまうとか、2つまで選択肢を絞り込めたけどことごとく間違ってしまったとか。

それだけなら自分の責任もありますが、その年の試験の問題が異常に難しくて合格率が著しく下がることもあります。

ここ数年だと、平成27年度試験で合格率2.6%というのがありました。

運がなかったために、何年も試験を受け続ける受験生も多くいます。

ただ全てが運かというと、当然そんなことはありません。

少なくとも択一式試験の合格ラインに到達するまでのところは努力がものを言います。

それから先の勉強は、言ってしまえば、

運を引き寄せるための作業

です。

麻雀だって運の要素は強いですが、それを引き寄せるためにあれこれ知恵を絞っているのだと思います。

努力次第で5割バッター(2回に1回は受かる)になれるかもしれませんし、2割バッター(5回受けないと受からない)で終わってしまうかもしれません。

どうせ運だからと腐らず、少しでも打率を上げるように取り組むことが大切です。

Q2.一番難しい科目はなに?

A.労務管理に関する一般常識(労一)です。

とは言っても、当然人によって難しいと感じる科目はそれぞれなので、一概に言うことはできません。

ただ、この科目によってあと一歩のところで合格を逃してきた受験生が多いのも事実です。
特に選択式で多くなっています。

某巨大掲示板では、「他の科目をすべて足切りなしでクリアした者に、労一選択というウルトラクイズの挑戦権が与えられる」とも言われています。

なぜそんなことになっているかと言うと、理由は2つあると私は考えます。

①予想もつかない問題が出題される
この労一の科目は、どのような問題が出題されるか予想できず、何を勉強したよいか分からないとよく言われます。

昨年度の試験では選択式5問すべて統計の名称を問う問題が出題されました。

他の年の試験でも一般常識の名のもとにあらゆる角度から問題が出題され、的を絞った勉強をするのが難しいです。


②難しい割に救済(合格基準点の調整)が入りにくい
これは少し専門的な話ですが、今までもご説明した救済については、受験者の得点率が著しく低い場合に発動します。

この労一については「一般常識」であるがゆえに、ほとんど勉強をしてこず、「会社に言われたから受けるか…」といった人や「記念に受けてみよう!」という人が勘で答えて正解する可能性が他の科目より高いです。

そのため受験者の得点率が低くならなくて救済が入らず、社労士試験のための勉強をしてきた人ほど泣かされるということが往々にしてあります。

Q3.社労士試験の勉強に専念できるってズルいですよね?

A.そのとおりです。大変申し訳ございません。

社労士試験合格者の属性についてはこちらで確認できます。

これによると合格者の中で無職の割合は1割程度で、ほとんどがお勤めの方となっています。

そう考えると私のような会社を辞めて勉強に専念できた人は有利に感じますし、ズルいと思われても仕方ないかもしれません。

ここからは少し愚痴です。

勉強に専念する場合(以下、専勉)、落ちた時に「仕事が忙しかったから」とか、「まー今回は本気じゃなかったし」といった言い訳ができません。

加えて、もしも受からなかった場合、ただの「無職期間」という結果だけが残ります。

専勉の人に注意していただきたいのは、「受からなくても勉強したことがきっと将来役に立つ」などと決して思わないでいただきたいということです。

合格しなければ何も残りません。

これが学校の試験勉強なら、「東大はダメだったけど、それまでの勉強をいかして早稲田に合格した」ということがあるかもしれません。

しかし、資格試験の場合、「社労士はダメだったけど、それまでの勉強をいかして行政書士に合格した」というのはありえません。
一から行政書士の勉強をする必要があります。

また、例えば企業の採用面接を想像してください。

面接官:「この3年間の空白期間は何をされてたのですが?」

社労士落太郎:「社労士試験の勉強をしていました!」

面接官:「なるほど。それで結果はどうだったのですか?」

社労士落太郎:「落ちました!」

何となく面接の結果は予想できるような気がします。

合格できなかった時のリスクを考えて、会社に勤めながら受験するか、専勉で受験するかを選択する必要があります。

Q4.法律なんて勉強したことないけど大丈夫ですか?

A.大丈夫です。

社労士試験は一般常識科目などを除けば、基本的には労働基準法や国民年金法などの法律の勉強をすることになります。

不思議なもので学校教育では法律について詳しく勉強はしないので、法律を学ぶ機会は大学の法学部でもない限りはあまりないかと思います。

では法学部卒の受験生が有利かというと、あまり関係ないと私は思います。

なぜなら法学部であっても、労災保険や健康保険法といった個別の法律まで詳しく学ぶということはそうそうないからです。

私も大学は社会学部卒で、法律に深く関わるような業務に就いたこともありませんが、別に法律を学ぶことについて抵抗感なく勉強することができました。

しいて言えば法律独特の言い回しが分かるのは法律を学んできた人のメリットかもしれませんが、逆に言えばその程度です。

今まで法律を学んだことのない人も、十分に合格を狙える試験です。

Q5.社労士試験の勉強って退屈って聞きますがホントですか?

A.ホントです。

これから勉強を始める人の気持ちを折るようなことを言いますが、社労士試験の勉強は決して楽しいものではありません。

近年でも行政書士、介護福祉士、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種を受験しましたが、それと比較しても退屈だなと思います。

なぜかというと、基本的に勉強することが法律の条文や細かい数字などで、論理的な思考力が問われるというよりはひたすら暗記の作業だからです。

「あの条文の文言はなんだったかな」、「こういう時の金額はいくらだったかな」というのを機械のようにとにかく詰め込むのが合格への道なので、拒否反応が出る方も少なくないかと思います。

逆に言えば、詰め込み作業が苦にならない方は向いていると思います。

また、社労士試験は法律を学ぶ試験ではありますが、要するに

のお話です。

歳をとったらお金がもらえる、失業したらお金がもらえる、仕事中にケガしたらお金がもらえる…。

労働基準法や労働安全衛生法は直接お金の話ではありませんが、お金を得るための手段=労働に関する法律だと考えると、やはりお金について学ぶ試験だと言えるかもしれません。

ですので、「お金大好き!」「世の中カネや!」という方は案外楽しんで勉強ができるかもしれません。

Q6.基本を覚えれば合格できるってホントですか?

A.私は違うと思います。

社労士試験に関わらず、資格試験においてよく言われることとして、「基本が大事だ」「基本さえ押さえておけば合格できる」ということがあります。

基本が大事なのは賛成ですが、基本さえ押さえておけば合格できる、には私は反対です。

そもそも社労士試験の基本とはどんなことでしょうか。

例えば国民年金法に合算対象期間というものがあります。年金の金額には反映されませんが、受給資格期間にカウントされる期間です。

厚生労働省ホームページに紹介されている合算対象期間は以下の通りです。


https://www.mhlw.go.jp/sinsei/chotatu/chotatu/shiyousho-an/dl/090327-1-k99.pdf

軽く10を超える種類があるわけですが、これは別に細かい知識というわけではなく、社労士試験においては基本となる知識です。

なぜなら当然それを分かっている前提で合算対象期間についての応用問題や事例問題が出題されるからです。

そしてこれは多くの科目がある中の「国民年金法」という中の、「支給要件」というカテゴリーの中の、ほんの一部に過ぎません。

これを踏まえて、本当に「基本をすべて押さえる」ということが可能でしょうか。

私は不可能だと思います。

ですので、しっかり勉強した人でも基本問題を間違うことは多々あります。

ではそこで失った点数をどこで取り返すかというと、

「重箱の隅」の知識です。

「こんなん勉強しても出ないだろうな」というところに限って本試験で出題されたりします。

択一式の試験であればまだ別ですが、選択式でこの重箱の隅が出題された場合は、足切りの存在から致命的になります。

例えば選択式の問題の組み合わせでよくあるパターンとして、
基本的な問題×3問、難しい問題×2問
というパターンがあります。

もちろん基本的な問題を3問正解すれば足切りは避けられるわけですが、これを1問間違ってしまった場合、難しい問題で1問とらなければなりません。

そして基本的な問題でも間違う可能性はあることはご説明した通りです。

ですので、ある程度勉強時間が確保できる方は以前の記事でもご紹介した科目ごとに分かれた詳しく書いてあるテキストで学習することをオススメします。


いかかでしたでしょうか?

今回の内容をまとめると、


①社労士試験は運も大事だけどそれだけじゃない
②一番厄介な科目は労務管理に関する一般常識
③試験に専念する人にもいろいろリスクがある
④法律を勉強してこなかった人でも全然OK
⑤社労士試験の勉強は基本退屈
⑥基本だけやれば大丈夫はウソ


です。

いよいよ社労士試験があと1か月に迫ってまいりました。

よく直前期は体調管理に努めるといいますが、それはせいぜい1週間前からで十分です。(コロナ感染には注意しなければなりませんが)

それまでは1つでも多くの知識を頭に詰め込み、1問でも多くの問題を解くことが重要だと思います。

10月の合格発表で皆さんが最高の笑顔、あるいは歓喜の涙を流すことができるよう、心より応援しています。

頑張ってください!

冒頭でもお伝えした通り、社労士試験に関する発信は一旦これで終了させていただきますが、本試験終了後に私の感想・分析などを発信できればいいなと考えております。

お楽しみに。

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社労士試験当日

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。

先日は島根でも大変な豪雨で、一時は私も帰宅難民化しておりました。

引き続き九州では特別警報が出ておりますので、該当地域の皆様は命を守る行動をとって下さい。


さて、前回の記事では社労士試験のテキストの選び方や、具体的な勉強方法をご紹介しました。

今回は社労士試験前日~当日のことから、合格発表までの過ごし方などについて私の経験をもとにご紹介したいと思います。

これらの期間の過ごし方は人それぞれなので、「こういう過ごし方もあるんだなぁ」という程度のゆる~い気持ちでご覧下さい。


1.社労士試験前日

以前の記事でもご紹介した通り、社労士試験は全国47都道府県で行われているわけではなく、近隣の都道府県まで受験に行かなければならない所もあります。

私の住む島根県はまさにそれで、お隣の広島県に受験しに行きました。

試験当日に移動するのは非常にリスキーなので、もちろん前泊します。
前日に慣れ親しんだ家で休めないのって結構なハンデになるような気もしますが、まぁ仕方ありません。

前日は高速バスで島根から広島まで向かいましたが、バスに揺られること1時間、いきなり停車しました。

何かな?と思っていると、バスの前方についているミラーが垂れ

「落ちて」

いました。

縁起でもねーなで済めば良かったのですが、運行できないということでそこから1時間以上足止めをくらいました。

これが試験当日だったらと思うと今でもぞっとします。

何とか広島にたどり着いたので、ホテルにチェックインしました。

ホテルはホテルでも、

カプセルホテルです。

いまだに、なぜ試験前日に泊まるホテルをケチってしまったのか?というのは自分でも理解不能ですが、当時は「お、安いからいいじゃん」みたいなノリでした。

しかし、その数時間後、猛烈に後悔します。

軽く酒も飲んで、その日は早めにカプセルの中で眠りにつきました。

ほどなくして、オッサンのいびき、歯ぎしり、謎の時間に鳴り響くスマホのアラームによって起こされました…。

これはもう自己責任としか言いようがありません。

結局騒音でも寝られるようさらに杯を重ねることになり、大した熟睡感もなく朝を迎えました。

今回の教訓①
前日のホテルはよいホテルを

2.社労士試験当日


朝起きた時の状態はというと。

寝不足で頭はぼやっとしてるし、飲みすぎて若干二日酔いもある。おまけに前日の長旅もあって身体がだるい。試験当日の緊張感で心臓が今にも飛び出しそうだ。

つまり、ベストコンディションだ。

社労士試験は10:30から開始で、着席時刻も10:00なので、それまでの時間の過ごし方は意見が分かれるところです。

①試験開始直前まで勉強する派
VS
②試験当日は勉強せずリラックスする派

の争いです。

こればっかりは自分に合う方を選ぶしかないのですが、私は①派で、「テキスト等をしまって下さい」といわれるまで読み続けました。

そして泣いても笑っても1年に一度きりの戦いの火蓋が切られます。


午前中80分間は選択式試験(語群から空欄をうめる)です。

安心していただきたいのは、午前中の選択式は時間が足りないということは通常ありません。

むしろ警戒すべきは、今までの記事でも何度もお伝えしている

「科目ごとの足切り」

の存在です。

各科目5点満点中3点未満の科目があった場合、救済(合格基準点の調整)が入ることもありますが、基本は不合格となります。

選択式8科目中、1科目も足切りがないと自信を持てる受験生はほぼいないと言っても過言ではないかと思います。

私の場合も労務管理に関する一般常識の科目で、「2点は確実に取れてるけど、残りの3問が怪しい」という自己分析でした。

逆に言うと、その他の科目は3点を取れているという自信がありました。

そこで午前中の選択式試験終了後、社労士試験に関わらず試験では絶対にやってはいけないというタブーをおかします。

それは、

「休憩時間中に問題の答え合わせをする」

ことです。

スマホで調べた結果、この科目で3点を確保できていることが分かりました。(技術の進歩って素晴らしい)

この時、「あ、受かったな」と思いました。

模試を複数回受ける中で、択一式試験で合格点が取れなかったことや危なかったことは一度もなかったからです。

ですので私が合格を半ば確信したのは自己採点の時でも、合格発表の時でもなく、スマホをポチポチいじっていたこの昼休みのことです。


というわけで余裕を持って午後の択一式試験に臨めました。

午後の択一式(5問択一)は3時間半の長丁場です。

それだけあれば時間は十分と考えてしまいがちですが、択一式は時間との戦いです。
特に近年の社労士試験は択一式の問題・選択肢が長文化傾向にありますので、ペース配分が大切です。

試験ではよく言われることではありますが、分からない問題に時間をかけたり、必要以上に迷わないよう気を付けなければなりません。

私の場合ですが、休憩時間に選択式が合格点に達していることを知ったので、1つの作戦を実行しました。

まずは3時間半の試験時間のところ、ある程度雑に問題を解いていき、2時間半程度ですべて解答します。

そのあと、

徹底的にマークミスがないかチェックしました

見直して高得点を取るよりも、万が一のマークミスのリスクをなくし、ひいては合格発表の日までの不安を軽減するためです。

結果、1時間をほぼまるまるマークミスのチェックにあてました。(さすがにやり過ぎた)

そうして試験を終える頃には、頭も身体も疲れ切っていましたが、なんともいえない高揚感がありました。

その後ホテルに戻り、各予備校の解答速報を見た結果、問題なく合格していると知りました。

さて、この休憩時間中に答え合わせをするということには、賛否(主に否)あるのではないかと思います。

しかし答え合わせをした場合、以下に場合分けできます。

①答え合わせをして結果が〇
→今回の私の場合。余裕を持って午後の試験に臨める。午後どうするか戦略が立てられる。

②答え合わせをして結果が×
→メリット:救済があるかも!と開き直って、午前の結果を気にせず午後の試験に臨める。 

 デメリット:絶望するリスクも高い。午後のやる気が出ない可能性も。

それに対して

③答え合わせをしなかった
→午前中の結果が気になりながら午後の試験を受ける。場合によっては午後頑張っても無駄かも…と思いながら受けることになる。

かなり強引ですが、こうして見ると③が一番よくないと思うので、一概に答え合わせをするのが悪いとはいえないのではないかと私は思います。

結果論かもしれませんが…。

今回の教訓②
休憩時間に答え合わせをしてもOK

3.合格発表までの過ごし方

やっと試験を終えて一息つけますが、当然自己採点の結果次第でその後の過ごし方は大きく変わると思います。

まず自己採点の結果が不合格だった場合。

具体的には1科目でも選択式3点未満、択一式4点未満の科目があるか、総得点が例年の合格基準点に到達していない場合は、すぐに勉強を再開すべきだと私は思います。理由は後述します。

そして自己採点の結果が合格基準点に達している場合は、それこそ合格発表までは好きに過ごされていいと思いますが、1つ私の例をご紹介します。

あれだけマークミスのチェックもして、合格を半ば確信したとかいいつつ、やはり合格発表の日までは何かすっきりしないものが残りました。

そんな日が続く中で、その不安を払拭するために考えたのが、

「試験勉強をしよう!」

ということです。

それも社労士の勉強をするのではなく、メンタルヘルス・マネジメント検定という試験の勉強を始めることにしました。

試験の概要は以下のサイトから確認できます。

https://www.mental-health.ne.jp/

なぜこの試験を選んだかというと、試験の内容が若干社労士試験と関連性があることと、試験日がちょうど社労士試験の合格発表と同時期だからという理由です。

Ⅰ種(マスターコース)、Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅲ種(セルフケアコース)と分かれているのですが、せっかくなら一番難易度の高いものをと思い、Ⅰ種を受験・取得しました。

Ⅱ種、Ⅲ種は取り組みやすくなっていて、職場のメンタルヘルスは今のご時勢避けては通れない問題になっているので、ぜひ皆さん取得されてはどうかと思います。

この試験の勉強に取り組むことで、合格発表までの不安な気持ちを紛らわすことができました。

これは自己採点の結果が不合格だった人も同じですが、試験についての不安は試験で解消しようという考え方です。

そして合格発表の日に無事に自分の番号を見つけ、私の社労士試験は終了しました。

今回の教訓③
試験の不安は試験で解消する


いかがでしたでしょうか。

今回の記事での教訓をまとめると以下の通りです。

①前日のホテルはよいホテルを
②休憩時間に答え合わせをしてもOK
③試験の不安は試験で解消する

今回の記事はアドバイスや参考にしてもらうといったことが目的ではないので、皆さんに合った方法で試験前日や当日は過ごされて下さい。

令和3年度の社労士試験もいよいよ迫ってまいりましたが、まだまだあきらめるのは早いです。

試験当日にすがりつける日々を過ごしてきたかが合否を左右します。

身体にはもちろん気を付けなければなりませんが、もうひと踏ん張り頑張ってみてください。

次回で社労士試験に関しての配信は一旦終了の予定です。

次回は今までの記事で説明できなかった事や、お伝えしたいことをご紹介したいと考えています。

お楽しみに。

次はコチラ

社労士試験の勉強法②

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。
すっかりご無沙汰しておりすみません。

今年度(令和3年度)社労士試験を受けられる方は試験まで50日を切りましたね。
今が一番しんどい時期かもしれませんが、最後まで合格目指して頑張って下さい。

というわけで前回は社労士試験に必要な時間や、独学・予備校の選択などについてご紹介しました。
まだご覧になってない方はぜひ前回の記事を見られて下さい。

今回は社労士試験について、

1.テキストの選び方

2.勉強方法

の2つをご説明させていただきたいと思います。

前もってですが、今回のご説明は

独学の方を対象

とさせていただきます。

あわせて

あくまで個人的な見解

となっておりますので、ご理解いただければ幸いです。


1.テキストの選び方

まずは既にご紹介している私が受験時に使ったテキスト(問題集、過去問)を改めてアップします。

社労士テキスト

前回この画像をアップした反響として、友人の1人は「こんなにあるのか…」と若干引いていました。
やはり一般的な感覚としては、非常に多い量なのだと思います。

全部ではありませんが、一つ一つ簡単に解説していきたいと思います。


重要度は★1つ~★3つで評価しています。

(1)みんなが欲しかった!社労士の教科書(重要度★★)/¥4,290

いわゆる基本テキストですが、ページ数が1172ページとそれなりのボリュームがあります。相当分厚いですが、3つくらいに分冊できます。
各科目の基本的な事項を覚えるだけならこの1冊で大丈夫かもしれません。
次にご紹介する「よくわかる社労士合格テキスト」シリーズを揃えるならこのテキストは不要だと思います。

(2)よくわかる社労士合格テキスト1~10+別冊(一般常識) (重要度★★★)/¥1,760~2,640

それぞれの科目についてかなり細かいところまで解説されていて、このテキストの内容を全部覚えることができれば余裕を持って合格することができます。(実際には無理ですが)
最も分厚い健康保険法では1科目で444ページもあります。
その分、ほとんどの事が載っているので、分からないことがある度にネットで調べないといけないという手間が省けます

(3)みんなが欲しかった!社労士全科目横断総まとめ(重要度★★)¥2,200

社労士試験をやっていると、同じような内容でも各科目によって微妙に異なっていることが出てきます。(目的条文、保険料率、届出先etc)
意外と試験で問われることがあるので、買って損はないと思います。
ただし、あくまである程度知識が頭に入っていることが前提となるテキストなので、やり始めるのは勉強後半からでよいと思います。

(4)みんなが欲しかった!社労士の問題集(重要度★)/¥3,520

択一式、選択式まんべんなく学習できる問題集です。
過去問の焼き直しも多いですし、優先度としては(5)、(6)の合格のツボシリーズの方が高いですので、無理して買われる必要はないと思います。

(5)みんなが欲しかった!社労士合格のツボ[選択対策](重要度★★★)/¥3,080

選択式対策に特化した問題集は少ないので、ぜひおすすめしたい1冊です。
問題はやや難しいのですが、解説も充実していて、本試験の雰囲気もつかめる良書です。
ただある程度の知識がついてから取り組まれるのがよいと思います。

(6)みんなが欲しかった!社労士合格のツボ[択一対策](重要度★★)/¥3,080

択一式対策に特化した問題集です。
これも問題はやや難しいのですが、本試験問題の的中率が高いことを売りにしています。
過去問学習を一通り終えた上で取り組まれるのがよいと思います。

(7)よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集1~4(重要度★★★)/各¥1,540

過去10年分の本試験問題が載っていて、最も優先度の高い教材です。
よく「過去問と同じ問題は本試験では出ない」と言われますが、私の考えは逆で、「重要なことだから繰り返し出題される」です。
過去問と全く同じ問題は出ないかもしれませんが、丁寧に解答・解説と読み解いていくことで、類似の問題に対応できる力が身に着きます。

(8)本試験をあてるTAC直前予想模試社労士(重要度★★)/¥1,980

予想模試が2回分+選択式のプラスワン予想が入っています。
(9)もそうなのですが、TACの予想模試は他社の模試と比べて難易度が高いと言われています。(私も1回足切りくらいました)
ですので模試を受けた時点で合格点に達していなくても、あまり気にされる必要はないと思います。

(9)みんなが欲しかった!社労士の直前予想模試(重要度★★)/¥1,980

予想模試が2回分+「最後はコレだけBOOK」がついています。
(8)と合わせて計4回の模試を本番と同じ時間に時間を計ってすることができれば理想的ですが、時間が足りない場合はどちらか一方でも十分だと思います。

以上となりますが、すべてTACのものをご紹介させていただいたので、以下のTAC出版のページでご購入いただくことが可能です。

https://bookstore.tac-school.co.jp/book/koza/006/

必ずしも全部揃える必要はありませんが、重要度を高くしたものについてはご購入されることを強くオススメします。

もちろんTAC以外の出版社も多くのテキストを出しているので、本屋などでチラ見してみて自分に合いそうだと思ったものを選ばれるのが一番だと思います。

2.勉強方法

これが一番皆さんが気になっていることだと思うのですが、正直私の勉強方法はフツー過ぎて、目新しさなどはありません。
もっと効率的な勉強方法があるのかもしれませんので、合格体験記の一つとして読んでいただければ幸いです。

私が勉強した期間である8か月を、時系列に沿ってどのような勉強をしたかをご紹介します。

(1)基本テキストを読む(1か月目~2か月目)

まずはすべての科目が載っている基本テキストを読みました。
初めは何が書いてあるかさっぱり分からないとおもいますが、それでOKです。まずはこんなことを勉強するんだなというイメージをつかむことが重要です。
できれば3回くらい読み、3回目には「少し知識をインプットしようかな」という意識で読むと効果的です。

(2)過去問を解く(2か月目~3か月目)

基本テキストを読んだ後は過去問(できれば過去10年分)に取り組みます。分からない問題がたくさんあると思いますが、気にする必要はありません。どんどん進めていきましょう。
ただし、間違えた問題は後から分かるようにしるしをつけておきましょう。

(3)テキスト⇔過去問を最低2回繰り返す(3か月目)

インプットとアウトプットの訓練として、過去問で間違えた問題をテキストで調べるという繰り返しを最低2回行うとよいです。
ここで注意点としては、

「なんかよく分かってないけど正解だった」

という問題は、間違ったものとしてカウントして、テキストで調べるようにしましょう。よく分かってない時点でその問題についての知識がついてないのは明らかですので、必ずテキストで確認するクセをつけましょう。

(4)科目別のテキストを読む(3~4か月目)

過去問演習を繰り返す中で、想定外のことに気づいてしまいました。
それは、

基本テキストに書いてないことがバンバン出題される!

ということです。


基本テキストだけでも相当の厚みですから、これさえ覚えれば大丈夫だろうと思っていましたが、最近の社労士試験では細かい論点が問われることが多く、基本テキストだけでは対応できません。(と私は思います)

そこでなけなしのお金を使って科目別に細かく記載されているテキスト(よくわかる社労士合格テキスト)を購入し、1冊1冊読み解いていきました。

個人的にはこの辺りの時期が先が見えなくてしんどかったです。

(5)問題集に取り組む(5か月目)

ここでいう問題集は過去問ではなく、ご紹介した社労士の問題集や社労士合格のツボなどです。
これも過去問同様に間違えたところにはチェックを入れつつ、テキストで調べるようにしましょう。

(6)模試を受ける(5か月目~6か月目)

問題集にも取り組んで力がついてきたら、模試を受けてみましょう。試験と同じ時間を計って模試を受けると、当日のイメージがつきやすいです。恐らく多くの方が「ヤバイ、択一の時間が足りない!」となるのではないかと思います。
ご紹介した市販の模試でもよいのですが、単発で自宅でも受けられる予備校の模試を受けることで、自分の立ち位置がどの辺りなのかを把握できると思います。

(7)苦手教科・一般常識対策(6か月目~7か月目)

模試の結果を踏まえて、苦手教科を潰していきましょう。社労士試験の鉄則として、「苦手教科をつくらない」ということがあります。今までの記事でもご紹介した通り、科目ごとの足切りがあるため、1科目でも苦手科目があるのは致命的です。
私の場合は健康保険法が伸び悩んでいたので、重点的に復習しました。
またこの時期には一般常識科目の勉強にも時間を割きました。どう勉強していいか分かりにくい科目ではありますが、よくわかる社労士合格テキストの別冊や、厚労省が発行している各種白書などを読み込んでいきました。

(8)テキストを読む(8か月目)

さて試験直前期、何をしようかと迷ったのですが、基本に立ち返ってテキストを読み直すことにしました。明確な理由があったわけではないですが、直前期にあれこれと手をつけるよりは、自分が慣れ親しんだ教材を勉強して当日を迎えたいと思ったからです。

以上が私の勉強方法です。

改めて見ると何の工夫もなくて愕然としますが、別に特別なことをやらなくても何とかなるとユルく考えればいいかもしれません。


いかがでしたでしょうか?

社労士試験合格を目指される方の参考に少しでもなれば、こんなに嬉しいことはありません。

次回は試験当日の体験記などをご紹介したいと考えております。お楽しみに。


次はコチラ

社労士試験の勉強法①

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。
前回は社労士試験の難易度についてご説明しました。
今回は社労士試験の勉強法について説明したいと思います。

はじめに前回予告した通り、私の社労士試験の結果をお伝えしたいと思います。
私の結果はというと、

1.8か月の勉強で一発合格

2.予備校や通信講座を使わず独学で合格

3.9割近い得点率で合格(96点/110点)

です。

…はいはい自慢がきましたよ、みたいな声が聞こえてきそうですが、一応コレは嘘偽りない事実です。

ですが、カラクリがあります。
社労士試験の勉強法にも関わってきますので、1つずつそのカラクリをご紹介したいと思います。

1.8か月の勉強で一発合格

私が本格的な社労士試験の勉強を始めたのが2018(平成30年)1月で、受験したのが2018年(平成30年)8月。
つまり勉強期間は8か月となります。

社労士試験は何年かかけて合格する人も多い資格ですから、これはかなり短い勉強期間だと言えます。

重要なのはこの勉強期間の中身です。

私の略歴をご覧いただけるとお分かりかと思いますが、私は受験の前の年に勤めていた会社を退職しております。

つまり、

勉強に集中できる環境が整っていた

ということです。

一説によると社労士試験に必要な勉強時間は800~1000時間と言われています。

私自身の勉強時間は大体800時間程度であったため、必要な時間を800時間と仮定します。
その上で、働きつつ、家庭を持ちながら社労士試験の勉強をする方との比較をしてみましょう。

・中田祐介さん35歳(仮名)
・同い年の配偶者と、5歳の息子が1人。
・都内の中堅企業総務部で勤務。就業時間は9時~18時で、平均1時間の残業有。土日祝日休み。
・会社勤めに限界を感じ、社労士として独立するため試験の勉強をしている。

・受験する前年の試験直後から勉強を開始(勉強期間は1年間)
・都内の図書館などは混雑しているため、勉強は自宅派。

中田さんの場合だと、平日勉強するのは仕事が終わり、家に帰って食事をして風呂に入ってからなので夜10時頃から。または朝早く起きて勉強するか、電車通勤であれば通勤中の時間でしょう。
この場合、平日に確保できる勉強時間は多く見積もって2.5時間といったところです。

その分休日は勉強時間が確保できますが、家庭を持っているため、休日でも5時間くらいが限度かと思います。

計算すると、


・平日
2.5時間×245日=612時間
・休日
5時間×120日=600時間
・合計
612時間+600時間=1212時間

ただし、このように計算通り毎日勉強できるはずはありません。

平日であれば疲れて勉強ができない日があったり、休日には家族で出かける日もあるでしょう。
そのため実際は計算した7割程度の勉強時間しか確保できないかと思います。

そうすると、

・実際の勉強時間(1年間)
1212時間×7割(70%)=848時間

何とか合格に必要となる800時間を確保することができました。

次に私の場合です。

・梶谷正樹さん32歳(受験時)
・独身生活を謳歌中。
・前年に会社を退職、ニート生活。
・会社勤めに限界を感じ、社労士として独立するため試験の勉強をしている。
・受験する年の1月から勉強を開始(勉強期間は8か月)
・島根県内の図書館は空いているため、勉強は図書館派。

梶谷さんの場合だと、平日休日に関わらず好きな時間に勉強時間を確保することができます。実際に勉強していたのは10時~17時の間くらいで平均して5時間程度。

計算すると、

5時間×240日=1200時間

ただし、梶谷さんは無職のくせに怠け癖があったので、実際は計算した7割程度の勉強時間しか確保できませんでした。

そうすると、

・実際の勉強時間(8か月)
1200時間×7割(70%)=840時間

中田さんとほぼ同じ勉強時間を確保することができました。

さて、この中田さんと私を比較すると、勉強時間自体はほぼ同じで、合格に必要な800時間を満たしています。

ここでこの項のテーマに戻り、「勉強期間の中身」について考えます。

中田さんの場合は、


・仕事終わりや、休日に疲れが残っている中で勉強しています。
・勉強する場所も自宅であり、小さいお子さんがいることを考えると集中できる環境とは言えません。
・仕事と家庭を両立させていく中で心労もあり、試験だけに集中できる状態ではありません。

それに対して私の場合はというと、

・平日休日関係なく、1日の1番集中できる時間に勉強することができます。
・最寄りの図書館はガラガラなので、集中できる場所で勉強することができます。
・仕事や家庭のことを考えることもなく、試験だけに集中できることができます。

いかがでしょうか。

このように同じ時間勉強しても、その中身によって大きく違いがでます。

中田さんと私の場合だと、1.5倍以上の差がでてくるのではないかと思います。
中田さんが社労士試験に合格できるかというと、難しいかもしれません。

実際に社労士試験を受験するのはお勤めの方が圧倒的に多いため、私のような試験だけに集中できるような環境を持っているのは実質チートです。

このように良質な勉強時間を確保できたことで、短期間の勉強で一発合格することができました。

2.予備校や通信講座を使わず独学で合格

正確なデータは分かりませんが、社労士試験は難易度が高いため、合格者は予備校や通信講座を使って勉強する方が多いです。

私の考えはというと、

社労士試験は独学で合格できます。

なぜかというと、

市販のテキストが充実している

からです。

ここで私が使っていたテキストをご紹介します。

いかがでしょうか。

社労士試験受験者の方には「なんだ大したことないな」という量かもしれませんが、一般的な基準で考えるとかなり多い量ではないかと思います。

私はTACという予備校の出版しているものを揃えましたが、このようなテキストが各出版社から出版されています。
テキストの選び方などについては次回ご説明します。

内容も充実していて、これさえやっておけば十分合格レベルに到達できます。

そう考えると合格に必要な質・量のテキストは市販で十分に揃えられるので、必ずしも予備校や通信講座を使う必要はないと私は思います。

ただし、残念ながら私は予備校や通信講座を使っていないので、それらの良さをご説明することができません。(そもそも島根には予備校がない)

ですので一般論ですが、

予備校・通信講座→お金はかかってもいいけど、効率的に勉強したい

独学→勉強のやり方は自分で考えるけど、お金はかけたくない

という考え方でよいと思います。

私の場合、市販のテキストから自分に合ったものを選ぶことができたことで、独学での合格につながりました。

3.9割近い得点率で合格(96点/110点)

実はこれ、すごいようですがあまり意味のある数字ではありません。
何点だろうが合格は合格だし、不合格は不合格です。
実際に開業し、多くの社会保険労務士と仕事をするようになった今でも、何点で合格したなんて話はしません。

ただし、やはり受験者としては余裕を持った点数で合格したいと思うもの。

そこで私の科目別の点数をご紹介したいと思います。

試験科目選択式計8科目選択式計7科目
労働基準法及び労働安全衛生法5/5点8/10点
労災保険法(労働保険徴収法含む)4/5点9/10点
雇用保険法(労働保険徴収法含む)5/5点8/10点
労務管理その他の労働に関する一般常識3/5点7/10点→社保一般常識と合算
社会保険に関する一般常識5/5点
健康保険法5/5点10/10点
厚生年金保険法5/5点8/10点
国民年金法4/5点10/10点
合計36点(40点中)60点(70点中)
すべてマーク式です。

一見何の心配もない得点率に見えますが、赤字の労務管理その他の労働に関する一般常識の選択式科目をご覧ください。

5問中、3点の得点です。

ここで前回の記事の合格基準を確認してみましょう。

「選択式試験は各科目3点以上、択一式試験は各科目4点以上である者」

です。

つまり、この科目の選択式で、あと1問でも間違えていたら、

不合格でした

しかも、同じく前回の記事で平均点が低かった場合は、その科目の合格基準点が引き下げられることがあるとご説明しました。
この年のこの科目ではその引き下げ(通称「救済」と呼ばれます)は、ありませんでした。

このように、全体の点数がいくら良くても、たった1科目のために不合格の可能性があるということは社労士試験ではもはや常識です。

このせいで私は今でも「合計特殊出生率」という言葉が嫌いですし、「生産年齢人口」という言葉に親しみを感じます。(詳しくは2018年の過去問を見てみましょう)

合計が何点とか何割とかいうことはあまり気にせず、とにかく科目ごとの合格基準点を下回らないよう勉強するのが社労士試験の王道です。


長くなりましたが、いかがでしたでしょうか。

まとめると、

①良質な勉強時間を確保できれば一発合格は可能。
➁自分に合ったテキストが用意できれば独学で合格は可能。
③総得点はあまり意味がない。とにかく科目ごとの合格基準点をとる


です。

次回はもっと具体的にどんな順番で勉強したのか、どのようなテキストを使ったのか、どの科目が難しいのかなどに踏み込んでご説明したいと思います。

次はコチラ

社労士試験の難易度

難易度

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。
前回は
社労士試験の概要についてご説明しました。
今回は社労士試験の難しさについて説明したいと思います。

まず結論からいうと、

社労士試験は難しいです。

これは行政書士、介護福祉士、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅰ種などなどを取得した私の感想です。

また社労士試験の難易度を分かりやすく表す数字として、令和2年度の試験の合格率はというと、

「6.4%」

です。

繰り返します。

「6.4%」

です。

しかも昨年度が特別低かったわけではなく、ここ数年は6%台で推移しています。
6%台というと会場の受験者のうち15~16人に1人しか受からない計算になります。

なぜここまで社労士試験の合格率が低いのか、3つの理由を説明します。

1.科目ごとの足切り

令和2年度の試験の合格基準点については試験センターのホームページで確認できます。
これによると、選択式は総得点25点以上(40点満点)、択一式試験は44点以上(70点満点)で合格となっています。

つまり6割ちょっとの得点率で合格できる計算になります。
合格基準がこれだけであれば、おそらく合格率は跳ね上がると思います。

問題はこの後です。

「選択式試験は各科目3点以上、択一式試験は各科目4点以上である者」

です。

つまり極端な話、他の問題がすべて満点であったとしても、選択式で2点の科目があった、または択一式で3点の科目があったら、

即不合格です。

絶望

これが社労士試験が難関とされるもっとも大きな原因です。

ただし、原則はこのようになっていますが、各科目の得点率があまりにも低かった場合は合格基準が引き下げられることがあります。(詳しくは次回以降の記事で)

2.試験範囲の広さ

社労士試験の試験科目については前回の記事で説明しましたが、社労士試験の範囲はかなり広いです。

科目数が多いだけではなく、各科目で学ぶ内容も広大です。

例えば国民年金法では、
(1)総則
(2)被保険者等
(3)費用の負担
(4)給付
(5)財政・年金額の改定
(6)給付通則
(7)積立金・国民年金事業
(8)国民年金基金及び国民年金基金連合会
(9)不服申立て・時効・罰則等

などがあります。ちなみに私が使用したテキストでは国民年金法だけで335ページありました。


これらが何科目もあると考えるだけで気が重くなりますが、さらに社労士試験では無視できない存在があります。それが、

「一般常識科目」

の存在です。

労務管理その他に関する一般常識と、社会保険に関する一般常識に分かれていますが、私が勉強をしていて思ったことは、

「一般常識ちゃうやん!」ツッコミ

です。ちなみにコレ社労士受験者あるあるです。気になった方は過去の試験問題をご覧になって下さい。

法律科目に加えて一般常識科目があることによって、勉強しなければならない範囲がある意味無限に広がり、合格率が低い原因となっています。

3.問題そのものが難しい

試験によっては過去問をやれば合格できるというものもありますが、残念ながら社労士試験はそう甘くありません。

基礎的な知識を前提とした応用問題・事例問題もありますし、法律改正が多い試験なので、過去問に頼りすぎるのは危険です。

問題の内容としては基本的なことを問われるものもありますが、ひねった問題も多いため、基本的な問題であっても「何かひっかけがあるのでは…」と疑心暗鬼になることがあり、その問題を落としてしまうこともよくあります。



また試験時間は選択式80分、択一式210分と長いように感じられますが、実際には問題の難しさから時間が十分でない場合も多いです。

難しい問題に時間をとられた結果試験時間が足りず、不合格になってしまうパターンもあります。



いかがでしたでしょうか?

社労士試験は、
①科目ごとの足切りがある
➁試験範囲が広い
③問題そのものが難しい


ことによって合格率が非常に低くなっています。

次回はその社労士試験で私の結果はどうだったのか?またどんな勉強をしたのか?についてお話ししたいと思います。

次はコチラ

皆さんが気になるあの件

雲南市の社会保険労務士の梶谷です。
HP開設ということで、皆さんが気になっている私の自己紹介から始めたいと思います。

…といきたいところですが、皆さんそれより気になっていることがあると思うので、そちらから配信していきます。(自己紹介はおいおい)

「社会保険労務士」というキーワードで何が1番多く検索されているか皆さんご存じですか?

社労士の主要業務である「就業規則」とか、最近話題の「働き方改革」、職業としての「収入」なんてのもありそうな線です。

実際に1番多く検索されているのは、

「試験」

についてです。

そこでこれからしばらく社労士試験について、試験の概要や、私の体験を元にした勉強法・ポイントなどを配信していきたいと思います。

【社労士試験とは?】社労士試験とは?

社労士試験について細かい情報は以下の社労士試験オフィシャルサイトで確認できます。

https://www.sharosi-siken.or.jp/

ここではその中で重要な項目について説明させていただきます。

【試験日程】

令和3年8月22日(日)→例年このくらいの時期です
選択式試験時間:10:30~11:50(80分)
択一式試験時間:13:20~16:50(210分)

【試験科目】

試験科目選択式計8科目(配点)選択式計7科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法1問(5点)10問(10点)
労災保険法(労働保険徴収法含む)1問(5点)10問(10点)
雇用保険法(労働保険徴収法含む)1問(5点)10問(10点)
労務管理その他の労働に関する一般常識1問(5点)10問(10点)→社保一般常識と合算
社会保険に関する一般常識1問(5点)
健康保険法1問(5点)10問(10点)
厚生年金保険法1問(5点)10問(10点)
国民年金法1問(5点)10問(10点)
合計8問(40点)70問(70点)
すべてマーク式です。

【試験地】

北海道、宮城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県

【受験資格】

学歴、実務経験、一定の試験合格などいろいろありますが、1番多いのは学歴(大学、短大、専門等卒業)です。
詳しくは試験オフィシャルサイトをご覧ください。

【合格発表】

令和3年10月29日(金)



ここまでのところで大体のことはお分かりになったでしょうか?

ポイントとしては、

(1)試験時間がやたら長い
午後の択一試験は3時間半ぶっ通しなので、終わったら頭フラフラになります。

(2)科目数が多い
法律科目に加えて一般常識も問われるので
試験範囲は広いです。

(3)試験地が限定されている

我らが島根県は試験地にありません。私は広島で受験しました。

といったところです。


次回からは踏み込んで、試験の勉強法・攻略法について説明させていただきたいと思います。

次はコチラ